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【自作語り】生命戦維の記録と伊織の血筋【うぜぇ】

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【自作語り】生命戦維の記録と伊織の血筋【うぜぇ】

「うぜぇ」は「自作語り」の枕詞です(にこっ)。
「「不砕月記」伊織の章」改題。


 皐月は5歳で、母への叛逆を志した。ただ、その「方法」をどこまで考えていたものか?

 いくら皐月が賢い子供だったといっても、5歳で、父が生命戦維の服の作り方まで口伝で伝えきれたとは思えない。かといって、羅暁の監視下にある屋敷内で、父が娘に、反乱の武器となるものの記録を遺しておくのは危険だ。
 一方で、皐月がわざわざ輪廻堂中学を選んで入学したということは、中学選択時には、「野望」の輪郭は見えていたことになる。
 つまり、5歳から小学校6年生までの間に、「極制服」の初期プロトタイプが、できていないと間に合わない。伊織と皐月は、二人で「極制服」を考え付いたのだろうか。

 美木杉は、流子に、
「人類の進化を促した生命戦維は、服を着る習慣だけを残して、永い沈黙に入った。(中略)沈黙を破ったのは、20年ほど前だ。鬼龍院羅暁が、原初生命戦維と接触し、彼らは再び目ざめた」(16話)
と語っているが、鬼龍院羅暁は、
「(生命戦維を)守るのが我が一族の務めだった」(21話)
と語る。そして、「天種繭星」「神羅纐纈」「絆糸」「神衣」といった語感は、20年前に命名されたものとはとても思えない。一族には古い「記録」があることを強く暗示する。また、皐月が「神羅纐纈」を知っていることに羅暁が驚くのも、5歳児が父から聞いて覚えていたより、「記録」を見たと考えるほうが無理が少ない。記録があるからには、鬼龍院一族が生命戦維を守る原因となった何らかの出来事は「有史時代前」ではありえない。

 「進化を促した」時代から生命戦維と人間がコミュニケートしていないという三木杉。
 「一族が(ずっと)生命戦維を守ってきた」とする羅暁。
 どちらが信憑性があるかといえば、伝聞である美木杉ではなく、当事者である羅暁であろう。

 その鬼龍院家の「記録」や、装一郎が残した研究成果のなかに、生命戦維10~30%の服が、10代の若者の能力を引き出すだけでなく、「生命戦維の抵抗力を高める」という知識があったとしたら、それを羅暁が警戒しないのは、いくらなんでも不自然だ。
 つまり「極制服」は、鬼龍院の知識の外だろうと推測した。

 では、伊織という「外部者」の「発明」だろうか?

 少し話がずれるが、纏一身は天才である。あれだけの組織を特許だけで支えるには、天才的発明家でなければありえないし、その発明と並行して、生命戦維の研究もしていたのだ。
 その彼が作ったのが、一身が着た「生命戦維を使った何か」(縫が戦闘中に言及)、彼の命を縮めた「片太刀鋏」、そして「神衣・鮮血」。


 特異な条件(流子の場合は体内生命戦維/皐月の場合は鬼龍院の血筋?)が必要な神衣と異なり、極制服は、誰にでも着用可能で、特異能力を発動しうる、神衣を超えるかもしれない発明だ。

 しかし、纏一身が、鬼龍院家離脱の時点で、「極制服」という発明にたどりついていたとは思えない。もし纏一身が「極制服」を知っていれば、黄長瀬絹江はあそこまで無理な実験に身を挺さなくても済んだだろうし、死に至ることもなかっただろう。

 天才・纏一身を越える発明を、小学校高学年の伊織が成し遂げたとするか? 小学校6年生でプロトタイプができるには、その数年前から着手する必要があるだろう。小学3~4年でできる発明だろうか?
 また、そんな歳ごろの子供が「絆糸」なんて語を使うだろうか、という疑問もある。


 ここで、YESというかNOというかはキャラ観の問題なので。他の二次創作者では「ここは伊織ががんばった」とする方もいらっしゃるだろうなというのは、承知のうえで。
 拙作「不砕月記」(賞味期限切れ)「Consciuos」では、極制服を「伊織の発明」とはせず、鬼龍院とは別系統の、生命戦維の「記録」を参考にしたことにした。

 伊織の父親は、鬼龍院の傍系の、「神衣」を作る血筋。
 揃兄妹は、揃が本家・鬼龍院に、妹が傍系の家に仕え、妹は傍系当主と結ばれる……。

 このアイデアは、一見、美木杉が流子に「生命戦維の秘密を知る者は、鬼龍院一族と、君のお父さん纏一身だけ」(3話)と語っているのに矛盾するが、この男はそもそも流子の秘密さえ纏博士から教えてもらっていないのだ。纏博士が隠そうとしているコトであれば、聞いていなくても当然ではなかろうか。……という捏造設定^^

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